狩婆(Q)思ふ

四十路の現状確認と葛藤。もりもり働いて  猟銃撃ってたら癌になってもうた。

【癌回顧録】運否天賦 復職したら心が折れてしまったの巻

『仕事とは社会との接点であり、生活を豊かにするものであり、人との関わりであり、メンタルを強くするもの。』
つまりは成長していく上では欠かせないものだと思ってる。
関わりがなくなっていくとしだいに自我が肥大してわがままになってしまうこともあるからね。

でも、この度、気がついたことは、上記はあくまで健全な精神、健康な心、自身が平常時の時にのみにあてはまることだと痛感した。
自分自身が弱っている時はあえてそこに身を置く必要はないよと。
わたしは自分自身に鈍感だった。

体の手術傷や皮膚の跡も日々、回復してきている。
今は胸の痛みもだいぶなくなってきてる。
体だけの話をすれば、もう特に治すところはないので多少疲れやすい体力も日々動くことで戻って来るものだから復職は当然の流れと信じて疑っていなかった。

復職し、正直初日からバカみたいに忙しかったんだけど
(復職前の産業医面談に相席した上司は「無理しなくていい、座ってればいいくらいだよ」と調子のいいことを言っていた。そこまで真には受けてはいなかったけどさすがにこの業務量には驚いた。)
まあ、作業的なものはいいの、体を動かすのも手を動かすのも、入力関連も問題なし。
ただ、思考・調整系の仕事をするとなんとかできるんだけど3案件以上の同時進行は完全無理なうえ疲労困憊半端ない。
特に人事関連業務はかなり神経をすり減らす。
疲労感と帰宅後の頭の混乱が半端ない、目がぐるぐるする。
初めての経験に自分自身が一番の大混乱。

あれ?なんだこれ?まあ4ヶ月も休んでたし、徐々に慣れるかなーでもまあ復帰前の仕事量をいまこなすのは無理だなあ。というのは、これまであれやこれやちょっとお願いを安請け合いしてて、手伝ってたつもりが通常業務に追加されて担当になってたり、気がついたら課内で(この課の業務では)2番目の古株になってたり、わたしが休職に入る2ヶ月前に長いこと一緒に働いていた方が部署移動してしまってたりで休職前は一時的に業務量が増えていて通常時の1.5倍くらいあったのよね、今後、業務分担の整理をしなくちゃって、ってときに、休職はいってしまってて。
休んでる間に業務分担してくれてると思ってたら、なんにも解決されてなかったorz

今の状況を話してすこし案件量を調整してもらおうと思い業務分担を上司に相談したら、ダメだった。
『え~いま年度末にむけて忙しいし、わかる人あまりいないからやってよ~』軽くと言われて終わってしまった。(おいおい、復職前の産業医面談時とずいぶん話ちがくない?上司さんよおお)
ええ、しょうがないからがんばりましたよ、数日間だってやるしかないからさ・・・ただでさえ、休職で迷惑かけてたわけだし、そして日々増える業務量・・

ぱーーーーーーーん        あ、心折れちゃった。

突然きた、帰宅して家にいるともう涙がとまらない、頭痛い、胃が痛い胃酸すっぱい。
仕事のこと頭でぐるぐるぐるぐる。気持ち悪い。3時とか4時まで眠れない。
とりあえず、風邪といって仕事休んでみたけど悪くなるばかり、翌日の出社のことを考えると吐き気。
不思議なのは泣き方、嗚咽するわけもなく、ヒックヒックもいわず、わーんともならずただ淡々とながれてる感じ、だから普通に話しながら涙もただながれてる感じ。
あれ?やばくね?さすがに主人にも隠せなくなってくるし、そうだ、親友が産業心理学学んでた、彼女に相談してみよう。

親友はすごくいいことをたくさん教えてくれた。
この文章に最初に書いてあることは、彼女が教えてくれたことだ。
病気という数ヶ月に渡る大きな闘いをひとまず終えたのに、なぜ休まずに、体の次に気持ちのケアをしないまま復職というステップに進むのか?ひとまず休むことの方が先じゃない?と。
今、無理することで取り返しがつかなくなることだってあるんだよ、って。

仕事は好きだし、まあ多少神経質なところはあるけど、要領はいいし、お調子者だし、酒飲みのダラダラ人間だし、そんなわたしは心のケアとか軽視してた。
むしろ仕事をすることによってケアできるくらい思ってた。
てゆうか正直、4ヶ月も休んで勤務先に申し訳ないとばかり考えてた。
でもよくよーく考えたら4ヶ月遊びで休んでいたわけじゃなく、病と闘ってたんだ、大事なことを忘れてた。

自分を甘く見てて大反省だ。
大事なのは自分だ、仕事は今やるべきことではないかもしれない。
周りの事とか見栄とかプライドとかちょっとだけ先のこととか考えてる時でもない。
そんなものにとらわれてると、本当に大切なものを無くしてしまうかもしれない。
本当に焦りを感じたの、危機感を。

全部大切で必要じゃないものなんてひとつもないんだけど、優先順位が見つかったら、すこし楽になった、あいかわらず涙でるし、夜眠れないけど。
でも、どうしたらいいか見えてきた。

主人に自分の気持ちを伝えた、今の状況をすごく理解してくれた。
通院中の病院には緩和ケア内科という癌患者専門のサポートがあるらしいので主治医に相談して受診してみようと考えた。
あと産業医と面談してプロの意見も確認しつつ今後の事を決めていかなくては。

産業医と話す前に決めることではないのかもしれないけど、わたしはもう辞めようという思いが強かった、なぜかというと休職延長は自身の気持ちの負担になるから。

今いるところは、経験者にけっこう間口が広いし、もどりたかったら、ちゃんと治して、いままで通り働けるようになってから、また公募からチャレンジして採用されればいいことだ。
いまは仕事のことを考えないで本当にちゃんと頑張った自分の心をいたわってあげようと思う、手遅れになる前に。

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産業カウンセラー面談1日目
カウンセラーさんは再度休職してゆっくりかんがえたら?という提案をしつつも、辞めたいという気持ちも理解してくれている。
この日は会社に雇われてる臨床心理士さんで、彼女としてはやめてしまう事によって他にストレスが移行してしまう心配をされていました。

明日、連携している大学病院の医師が来所する日だから、改めてもう一度面談となる。
まずはそこで、ナーバスになって辞めたいといってるのか、体のためにやめるべきなのか判断をしてもらおうとなりました。
あとは、はっきりとは言いませんでしたが、わたしが現在通院している病院、緩和ケア内科等の期待はしてないようで、なんとなく行くならと他の病院を進めてました。
現病院は会社とも距離が近く、多少のつながりもあるので、たぶんいい話きいてないのかなあ、という印象をうけた。
まあ、わたしも通院してて感じる部分はあるから、なんとなく言わんとしていることは伝わった。

はあ、たくさん泣いて疲れた。

産業医面談2日目
大学病院で癌の緩和ケア内科およびメンタルヘルス科にいらっしゃる医師の面談。
ここでも話してても何してても淡々と涙が止まらない。
少し話してて、明確に「うつじゃないね、大丈夫」「わたしは社内の人間ではないからはっきり言いますが、今の状況は仕事を辞めれるならやめたほうがいいと思います」とはっきりおっしゃってくださいました。
仕事が嫌で辞めたいと言ってるわけではないと判断してくれて安心しました。
頑張るのは心が健康な時にするものです。と言ってくれた。
涙については、術後などホルモンの乱れがよくあることなので、それもあるから徐々にね、治るよ。
仕事は、心が健康になってからで充分だから、人生ながいんだからと。

先生は復職は今、社会問題にもなっているけど、やはり、組織としての考え方がしっかりしていても、もっと狭い、個人や部や課での考え方がとても重要で、これが合わなくて、本当にメンタルがくずれてしまう例をたくさん見ていると。
また、勤務時間の時短などの調整も規定としてできないのであれば今、フルタイムで働くことは本人の思う以上に負担が大きいことや今の課の状況等とくに復職に慣れる前、数ヶ月後には組織改編で新しい課に配属になることが決まっていて、この変化もあまり復職後としてそぐわない事など丁寧に絡んだ気持ちをほぐしてくれました。 (*休職中に今いる部の解体が決まり、数ヶ月後には新規でできる課の配属になるみたい、急に解体がきまって部全体が業務も人間関係も絶賛ギスギスしてる時期だったのよ、なんて間の悪いタイミング!)

また、わたしの通っている病院の緩和ケア内科と合わなかったら、自分の病院にきてください。
社内の診察で会いましたが、仕事辞める辞めないにかかわらずちゃんとケアしますからと言ってくれた。
なんか、たくさん話せてすごくホッとした。
先生から会社の産業医さんと上司に直接説明してくれることとなった。

辞めていいんだよ、とわたしのわがままじゃないんだよ、と言ってくれた気がして本当にほっとした。


結局2週間くらいしか通勤しないで心が折れてしまった。
でも早く判断してよかったと思ってる。

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